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こんにちは、心理カウンセラーの優木るなです。


今回は、推しのライブに全落ちした悲しみ、そして心のケアについてを綴った内容になります。

趣味120%の自己満ブログ仕上げです。



|| 導入



夏草や兵どもが夢の跡


松尾芭蕉の名句です。

あるできごとのあった現場のようすが、すっかり変わってしまっていることのたとえ。また、過去から現在へのものごとの移り変わりに、深い感慨をもよおす場合にいう。（引用：コトバンク）

このような意味があります。

江戸を経っておよそ１ヶ月半。
奥州平泉に着いた芭蕉が、源義経の居館「高館」に立ち、眼下に広がる夏草を見て詠んだ句です。
「命を賭して戦い、散っていった。そしてここには雨露に濡れた夏草が有る。」
平泉の歴史・文化を築いた奥州藤原氏の栄華、この地で散った義経公に思いを馳せたのでしょうか。

美しく、しなやかでありながらも儚い句だと思います。



|| 落選


2023年5月12日の午前11時4分。
私の心は打ち砕かれました。

そうです、BTSのメンバーSUGA氏（ソロ活動名：Agust D、本名：ミン・ユンギ）の日本公演に全落ちしたのです。


ローチケ（ローソンチケット）から届いた６通のメールを１通ずつ薄目で確認していきます。


あ...落選。
え、あ、これも落選。
いや、嘘、これも落選じゃん。
まだ３通分あるって、落選。
え、ちょっと、落選。
あ...うん、落選。


全落ちです、全部落選です、無です。



|| 感情の流れ



人間って不思議ですね、ショックな出来事があると“疑う”んですよね。

え、夢だよね、ちょっと待って、文字見間違えてない？さっきのメールで落選って書いてあったけど、本当は当選とか？ていうか、ローチケからのメールは落選だけど、ローチケのサイトに行けば当選になってたりして！



何度見直しても、落選の文字。すると、“怒り”が湧いてくるのです。

いやさ！！！ふざけんなよ！！！！そもそも何でもっと大きな会場でやらないわけ！？それかもうさ、毎日ライブやってよ、ねえ。応募する人とかアミ（意味：BTSファン）の数とか分かってんなら運営がもっと枠増やしたりデカい会場押さえてよ！

とてつもない理不尽や無理難題のオンパレードです。



そして、当落発表の際に電話をしていたカウンセラー兼実母の町村ゆきから教えてもらったのですが、“取り引き”をするらしいのです。

あーもう本当、行きたい。マジで、神様お願いします、今からインターネットをハッキングして私の落選を当選に変えてくれないかな。マジで、本当、何でもします、今ある所持金全部あげます。それかもう良い人間になります、ユンギのCD50枚買います、とりあえず親孝行します、あと旦那にも優しくします、なんか良いことするからお願いします、神様。



そして、覆らない事実や現実を実感した時、“落ち込み”ます。

あっ、もうユンギに会えないんだ〜。2度と見られないんだ〜。あーあ、私があの時に一瞬だけJ-HOPEのことカッコいいって沼りかけたから落選したんだ。もっと徳を積めばよかった、もっとグッズとかCDとかたくさん買って、公式にお布施しておけば当選できたのかな？もう生で、自分の目で直接見られることなんてないんだ。


それらの過程を経て、現実を見つめて、受け入れて、落ち着き、未来へと足を進める“受容”の段階に行けたりするのですが...。




|| 感情と本心



いや、受け入れるなんて無理よ！っていうのが今の私の本心なのです。（2023/5/13時点）


だってさ、もうさ、終わったも同然なんだよ！？
一般枠は先着順って、何人応募すると思ってんの！？
無理だよ、全部終わってんだよ！！ユンギに会いたい、生ユンギ。
ユンギって打とうとすると“ユン着”って変換されるのは私の愛が足りないからなんだ、だから全落ちしたんだ。


怒り→落ち込み→怒り→取引→怒り→取引→落ち込み→落ち込み→怒り→落ち込み...


そりゃ、現実を素直に受け入れられたら楽だとは思うのですが、心はそう簡単じゃない！全然怒ってるし、悲しいし、不満！なんて思うのです。


そして怒りと同時に、芭蕉の句が浮かぶのです。




|| 夏草や兵どもが夢の跡



俳諧師の芭蕉はあの時、夏草に何を見たのでしょうか。
何を思い、何を感じたのでしょうか。


今の私は夢潰えた兵です。


ユンギに会えること、彼の音楽で湧き立つ心、ぴあアリーナMMの地に足を踏み入れることを夢見ながら戦い抜き、厳正なる抽選を行った結果、残念ながら今回はチケットをご用意する事ができませんでした。


【大吹打】の文字が入った甲冑には傷だらけ、起き上がる気力すらなく、眼だけゆっくり動かすと私と同じように傷つき疲れ果てた兵たちがいます。

涙声で「Seesawの弾き語り、聴きたかったな」と呟くのです。


BTSを知らない、SUGAを知らない、アミでもペンでもない芭蕉。
芭蕉なら、私の無念を分かってくれる、そんなことを思うのです。



|| 未来のために


感情をすっ飛ばして“受容”の段階に行くことは、難しいことだったりします。
本来感じるはずの感情を置いてけぼりにする、これは自分の気持ちを無視することになるからです。

そのためにも、今の自分の怒りや悲しみをしっかり感じる事が大切になります。
何より、「感情は感じ切ると昇華する」と言われています。

怒りも悲しみも、不満感も出てきて当然だと思うのです。
だってそれほどまでには好きで、恋しいものだから。

自分の感情を大切にする事は、相手を、推しを、何より自分自身を大切にすることに繋がるのです。



しかし...、芭蕉は言うのです。
「まだ戦いは終わってない。」
そうです、ごくわずかな可能性ながらもローチケ会員抽選や一般販売があるのです。

一縷の望みをかけて、挑んでみようと思います。
ガチで悲しむのはそれからにしてみようと思います、今すでに悲しいけど、とりあえず今は美味しいものでも食べて英気を養います、悲しいけど、悲しみながら応募することにします。



推し活は、そして愛は、とどまることを知らないのです。



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