bakusanP8053296277_TP_V



ご覧いただきありがとうございます。
優木るなです。

カウンセリングサービスのカウンセラーがお届けするアメブロ「恋と仕事の心理学」。
火曜日テーマ「うまくいくコミュニケーション」でお届けしている優木の記事をこちらにも掲載させていただきます🍀


↓↓ アメブロはこちら↓↓






私たちは時に挫折したり、傷ついた状態に陥ることがあります。

私自身も大学時代、心が傷ついた経験をしたことがありました。

大学の最終学年では、研究成果や培った知識、技術、作品などをまとめた卒業論文や卒業制作といったものを提出することがあります。

私は大学時代に写真学を専攻していました。

なので、私の場合は卒業制作として写真を十数枚組み合わせたもので作品を作ったのですが、めちゃくちゃな低評価を食らったのです。
周りの友達や同じクラスの子たちは皆、最高評価のSを獲得していて、私だけB、私以外でBという評価をとった人は見かけませんでした。

低評価の理由や査定方法は学生側に知らされることが無いので、考えるわけです。

自分の作品がそんなに変だったのか?
いや、でも友達も教授も太鼓判を押してくれたよね?
何か大きなミスをしていたのか?
いや、みんなでお互いのものを確認しあって、ミスがないか何度も確認したよね?

いくら考えても、その時は答えが出ませんでした。

ですが、写真やカメラを大嫌いになったのは覚えています。
写真と共に歩み、作品に悩み、数えきれないほど撮った写真たちを「ゴミクズ」としてしまったのです。

卒業制作での経験は恥ずかしい出来事、汚点、人生最大の失敗。
一生懸命になって馬鹿みたい、高い学費も無駄、写真なんか勉強しなきゃよかった。

その後、今に至るまで写真やカメラなど、“卒業制作での恥ずかしさ”を感じるものから遠ざかって生きてきました。




|| きっかけ



そして、時間は今に戻り、少し前のことなのですが。

インターネットで心理学にまつわる知識や理論を見ていた際に、とある言葉を目にしたのです。

青写真を描く

この青写真を描くとは
将来の計画を具体的に考える。未来の姿を想像する。
「青写真」は、設計図の複写に用いられたことから、設計図のこと。
このような意味があります。(引用:ことわざ辞典ONLINE)


青写真という文字を見た私は、なんだか気分が悪いのです。
「写真じゃん...。」

写真というワードを見るだけで卒業制作での挫折、恥ずかしさや惨めさを思い出すのです。

なんなら、時を重ねるごとに挫折感、恥ずかしさや惨めさがより強くなって、心が傷ついた状態にどっぷり浸かっているようにも感じるのです。



|| 感情


私たちは、無意識で自分を守ろうとしたり、痛みを避けようとします。
熱々のフライパンに触っちゃった時に手を引っ込める“脊髄反射”なんてめっちゃ無意識ですよね。

感情も似たような性質を持っています。
 

恥ずかしい、傷ついた、嫌、悲しいなどなど、感情にも感じたく無いものや避けたいものがあったりします。

感じたくない感情から自分を守るために、自分の知らないうちにさまざまな攻略を試みます。
がまん、抑圧、見ないフリ、ごまかしなどなど。

これらの攻略法、一時だけは気が紛れます。
ですが、根本的な攻略は行ってないので、感じたくない感情は処理されず心に残ったまま。

処理されることがないと、どんどん重なっちゃったり、大きく膨らんじゃったりするのです。

先述の私だと、卒業制作での恥ずかしさや惨めさを2度と感じたくないので、卒業制作にまつわる写真やカメラを大嫌いになりました、見ないフリやごまかしに近い攻略法です。


大嫌いになることで、自分を守ろうとしたのです。
 

それなのに...、自分を守っていたはずなのに“青写真を描く”という言葉により、感じないようにしていた感情の蓋が開いてしまったのです。



|| コミュニケーションを取る



卒業制作での出来事を含め、過去を変えたり忘れたりすることは出来ません。
非常に残念なのですが、私には過去を変える力が備わっていないのです。

ですが、起こった出来事や過去に関して、新たな発見をしたり認識を変えたりすることは出来ます。

改めて、なぜ低評価だったのか、私に何があったのか、あの時どうだったっけと自分で自分にコミュニケーションを取ってみたのです。


すると、ヒントになるような出来事を思い出しました。


卒業制作の審査や査定では、複数人の教授や先生に自分の写真を紹介し、アピールします。

私は、自分の写真を遠慮して紹介していたのです。
こんな私の、こんな作品、こんな写真、こんな卒業制作ですけど良かったら見てください。

自分の卒業制作に誰よりも低評価をつけていたのは自分自身なのです。
そりゃ、周りだって低評価つけます。


新たな発見をしてみて、私はこの出来事に関して初めての感情を感じました。
それは悔しさです。

なんであの時、私は自分の作品に低評価をつけたんだろう。
なんで卑下したんだろう。

もっと私が自分を見ていたら、もっと自分を信頼できていれば。
ちゃんとアピールできたのかもしれない、最高評価のSだって取れたのかもしれない。

こんなに悔しいものなのか、自分自身の悔し具合に驚きました。
そしてこの悔しさを感じたく無いから、挫折感や恥ずかしさ、惨めさで蓋をしたのかななんても思うのです。

 

|| 回答



自分とコミュニケーションを取り、出来事を振り返ることで蓋をしていた感情である悔しさがひょっこりと顔を出しました。

さあ、どうするかって話ですよね。

また、もう一回、自分にコミュニケーションを取ってみるわけです。
どうしようか、と。


私たちは自分を見たり、聴いたり、自分に確認してあげることで回答を得られたりします。
回答には正解不正解がなく、純粋な私の気持ちです。


すんごい単純な例だと、「お昼ご飯、何食べる?」

あなたの中ではどんな回答が浮かぶでしょうか?
おにぎり?サラダうどん?私は最近、きゅうりをいっぱい入れたハムサンドにハマっています。
対して、お腹減ってないなぁ、なんてのも回答ですよね。


物事や感情など、それ自体をどうにかすることが難しい時、直感的な回答がヒントになることがあります。
自分に聴いてあげる、そうすると自分なりの回答が出てくる。

さあ、改めて。

私、悔しいみたい。
どうしようか。
うーん、悔しい、でもここには居たくないよな、悔しいのもなんか嫌。
でも進みたいんだよな、どうしよう。

私の中でふと出てきたのは、カメラに触ってみようかなということです。

実のところ触ってみようかな、なんて可愛いものじゃ無いです。
カメラに指先ちょっと触れてやってもいいぞ、くらいです。

これが悔しさとどう繋がるのかは、何でこんな回答が浮かんだのか、その時はまだわかりません。
ですが、なぜか「カメラに触ってみようかな」ということが出たのです。


 

|| 気づき


数年ぶりに防湿庫(カメラなどを入れる除湿機能を備えた保管庫)から当時使っていたカメラを持ち出してみたんです。

Canon 5D Mark3というデジタル一眼レフカメラで、「ファイブディーちゃん」と呼んでいました。

思い返せば、当時本体だけで30万円、カメラ屋でアルバイトしながら分割金を払っていたんです。
払い終わった頃には傷はあるわ、ボタンをいじくり回しすぎて塗装が剥げているわで、決して綺麗ではなかったです。
でも、私にとってはたった一つのカメラで、宝物でした。


数年ぶりに持ってみて、その重さに驚くんです。
レンズをつけてない状態でも、笑ってしまうほど重い。

当時よく使っていたレンズをつけてみて、数年ぶりにファインダーを覗いてみました。重くて腕がプルップル震えるんです。
ストラップを首にかけてみたら、重みで首が取れるかと思いました。


私は自分のことを全く知らなかったけど、当時の私はこんなめっちゃくちゃ重いカメラを首から下げたり、斜めがけにしたりして毎日どこかしらに撮影しに行ってたんだ。
今思うと、なんてタフで逞しい。

なかなかすごいじゃん、必死で一生懸命でかっこいい、頑張ってたじゃんとも思えたのです。
卒業制作のあの時は全く気づけなかったけど、今になってやっと頑張っていた自分自身に気づけました。

そして、頑張っていた自分自身に気づくと、同時に「自分を責めなくても良い」という選択ができていたりするのです。

卒業制作での出来事から写真を大嫌いになった私。
私が自分自身の頑張りに気づけたことで、やっと自分を責め続ける手を止めたのです。



|| 青写真を描く


この原稿を書きながら、「なんか撮ろう」なんて思っちゃったのです。

自分自身を責め続ける手を止めた途端、「なんか撮ろう」とやりたいことが浮かんじゃうって、本当に調子のいいやつだなと思います。

心が傷ついた状態からの再起や、自分で自分を傷つけない(責めない)選択ができると、同時に「こうなりたい」、「これをやってみたい」などの未来や希望に目を向けたりすることができるみたいです、新発見。


そして何より、途中でご紹介した未来の姿を想像するなどの意味を持つ“青写真を描く”という言葉。
「なんか撮ろう」って青写真を描いちゃってるんですよね、我ながら素晴らしい伏線回収です。

次の旅行では愛機であるファイブディーちゃんを持っていく予定です、筋肉痛対策として湿布も忘れないようにしないと。

挫折や傷ついた時こそ、自分とのコミュニケーションが大切になります。

 
あなたはどのような青写真を描きますか?


ーーーーー

ここまでお読みいただきありがとうございます🍀



↓ご予約はこちらから↓

カウンセリング予約センター
☎︎06-6190-5131
受付 12:00~20:30
月曜定休(祝日は翌日代休、他)